解析よもやま話 【第28回:非線形解析と対称条件】

Posted by Ken Nakagawa on 2018/11/12 20:11:30

コンピュータの能力の向上に伴って構造解析に用いられるFEMモデルも大規模化が進んでおり、とにかく詳細モデルを作って力ずくで計算する、というのが普通になってきています。しかし、計算能力が向上すればその分FEMモデルも詳細化する、といういたちごっこで、計算に掛かる時間はあまり短くなっていないのが実情のように感じています。そんな中で、計算時間を短縮するテクニックの一つとして対称条件を使う、というのはポピュラーな方法です。昔からよく使われていますが、より詳細なモデルでも短時間に結果を得ることができるので、現在でも有用性は高いと思っています。モデル形状も拘束条件も荷重条件も対称であれば、モデルを対称面で切って1/2や1/4にすることで必要なメモリや計算時間を大幅に削減することが可能です。しかし、解析する現象によっては注意する必要があります。それは非線形でしかも不安定な変形が発生する現象の場合です。

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解析よもやま話 【第27回:材料の破断と要素サイズ】

Posted by Nobuyuki Fukuoka on 2018/11/02 2:56:57

今回は、新たに執筆者に加わったアルテアの風雲児、福岡(名古屋在籍、好きな自社製品はHyperStudy)が執筆を担当します。

MultiScale Designer の担当になってからというもの、材料の破断というものを非常に良く考えるようになりました。そして考えれば考えるほど、要素サイズへの依存性が強いということを理解してきました。今回はそのお話です。

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解析よもやま話 【第26回:慣性リリーフ解析】

Posted by Ken Nakagawa on 2018/10/05 1:25:14

最近、「拘束条件の入れ方が分からない」という質問を、学生さんや企業様から受けることがよくあります。そこで、今回は慣性リリーフ(イナーシャリリーフとも呼びます)という解析手法を紹介したいと思います。

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解析よもやま話【第25回:座屈解析を考える(自重が剛性に与える影響)】

Posted by Ken Nakagawa on 2018/06/18 3:36:15


図1 線形座屈

アルテアの中川です。

座屈という現象は皆さんご存知だと思います。座屈には二種類あって、一つが非線形座屈、もう一つが線形座屈です。柱を圧縮した時に、材料が降伏応力に達して潰れてしまうのが前者、応力は低いのに幾何学的に不安定になって折れてしまうのが後者です。今回は後者の線形座屈について考えてみました。

この現象はプラスチックの定規を上から押すと大した力を加えなくても図1のように簡単に折れてしまうことなどで身近に体験していると思います。

建物や機械などの圧縮荷重を受ける部材は、耐荷重性だけでなく耐座屈性も考慮して設計する必要があります。座屈荷重は単純な断面の柱であれば手計算で求められますし、複雑な構造であってもOptiStructの線形座屈解析機能で計算が可能です。

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解析よもやま話【第24回:塑性変形と破断】

Posted by Ken Nakagawa on 2018/03/26 23:45:15

アルテアの中川です。先日荒川河川敷で開催されたフルマラソンの大会に出場してきたのですが、そこで思わぬアクシデントに遭遇してしまいました。ランニングの大会に出たことがある方はご存知かと思いますが、選手は主催者から配布されるICタグをビニタイ(ビニールで被覆された針金)でシューズにくくりつけて走ります。写真1のようなイメージです。コース上には一定間隔(フルマラソンだと通常5キロごと、あとは中間点およびゴール)で測定用マットが置かれていて各選手の通過時刻とゴールタイムを自動計測します。駅の改札と同じ原理ですね。

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解析よもやま話 【第23回:線形か非線形か (続編)】

Posted by Ken Nakagawa on 2017/09/06 22:13:43

以前書いた「線形か非線形か」という記事の続きです。前回は静解析について記しましたが、今回は振動解析を例に挙げたいと思います。今回これを取り上げた理由は、「接触を考慮した固有振動解析はできますか?」というお問い合わせをよくお受けするからです。

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解析よもやま話 【第22回: モヒカン】

Posted by Ken Nakagawa on 2016/08/02 19:31:32

アルテアの中川です。

皆さんはモヒカンと聞くと何を思い浮かべるでしょうか。大抵の場合、北米先住民族のあの髪型だと思います。しかし、自動車の車体開発に携わったことがある人の中には、車体のルーフ構造の方を先に思い浮かべる人もいるかもしれません。

写真は私の車ですが、最近の乗用車はほぼ例外なくルーフの外側に前後方向のモールがついています。自動車会社の人たちは、この構造をモヒカンと呼ぶのです。車体のデザインは、できるだけ各パネル間の段差や継ぎ目が目に付かないように工夫されているものですが、なぜかここだけはモールをはめ込んで継ぎ目のある状態が普通とされているのが不思議です。

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解析よもやま話 【第21回:線形か非線形か】

Posted by Ken Nakagawa on 2016/06/19 22:50:26

今日は、アルテアの中川です。大変ご無沙汰しております。一応まだ生きておりますが、皆さんにお伝えしたいような良いネタになかなか遭遇できずに時間が過ぎてしまいました。今回は最近経験した「線形解析と非線形解析をどこで切り分けるべきか」、というテーマで記させていただきます。

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解析よもやま話 【第20回:学生フォーミュラマシンのさらなる軽量化】

Posted by Ken Nakagawa on 2015/10/19 15:00:00

 

アルテアの中川です。

今回は学生フォーミュラの方々向けに特化した内容です。

ほんの1か月前に学生フォーミュラの大会が行われたばかりなのですが、次年度のマシンの設計にはもう取り掛からなくてはならない時期、ということで、皆さん色々と斬新なアイデアを考えているところかと思います。我々も少しでもその助けになれば、ということで先週金曜日にInspireのトレーニングを東京オフィスで開催しました。先日の大会の応援に行った時に感じたのは、Inspireはすでにかなりの数のチームで活用されているな、ということです。アップライト、ベルクランク、ペダルといったところが代表的な部品で、直観では思いつかないような形状になっているのがとても興味深く感じられました。すぐに効果が出ますのでまずはこういう部品から始めるのが良いかと思います。しかし、使い慣れてきたらぜひ大物部品であるフレームにも展開していただきたい、と感じています。フレーム構造の最適化は、

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解析よもやま話 【第19回:オープンかクローズか】

Posted by Ken Nakagawa on 2015/09/03 20:22:00

2015年8月18日にAltair JapanのFacebookへ投稿された記事の転載です。

アルテアの中川です。
今年はホンダからS660、マツダからロードスター、と新しいライトウェイトスポーツカーが発売されてスポーツカー好きの自分としてはとてもうれしく思っています。しかし、個人的に少し残念なのが両車ともオープンモデルしか無いところです。オープンエアモータリングの気持ち良さはよく分かるのですが、より軽量なクローズドボディを基本にして欲しかったと感じています。「軽くて強い」を仕事にしていることもあり、どうしても重さが気になってしまうのです。オープンカーにすると重くなる、というのは自分の中では当たり前のことだったのですが、先日飲み会でそう発言したら「えっ、屋根がないのにどうして?」と聞かれてしまい、どうやら当たり前ではないらしいことに気づきました。そこで今回はこれを題材にしてみたいと思います。

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