HyperWorksを用いた工学院大学ソーラーカーの製作(4)フラッター現象の解析

Posted 06/06/18
Kogakuin-BWSC2017_flatter

極薄の羽が走行時にフラッター現象を起こす可能性を調べた
(旗を振ると旗がたなびく現象がフラッター現象の1例です)

昨年末、NHKの「超絶 凄ワザ!」でも取り上げられ、2017年10月にオーストラリアで開催されたBridgestone World Solar Challengeで、悪天候のために半数以上がリタイアする中、工学院大学ソーラーチームは見事7位の成績を収めました。斬新なソーラーカー“Wing”の開発になぜ、どのようにHyperWorksが用いられたのか、詳しく紹介します。

7. フラッター現象の解析

フラッター現象とは、曲げと捩れによる弾性振動と空気力が連成して生じる自励振動の不安定現象で、一度発生すると振動が増幅発散して飛行機の羽など構造物の破壊を招く現象です。走行中に羽に起こる弾性振動は低速時には空気力で減衰されますが、高速域では空気力が羽の振動を助長して振幅が増大発散し、最終的に羽が破壊される懸念がありました。

Kogakuin-BWSC2017_wing_FrequencyResponse

図7 羽の固有値解析結果(周波数応答)

図7の周波数応答(固有値解析)を行い、フラッター現象の発生有無を調べました。1次モード:羽後端のねじり、2次モード:羽後端の縦曲げ、3次モード:羽前端のねじり、4次モード:羽前端の縦曲げを解析しました。

1次モードと2次モードの固有値は、近い値になりましたが、重心よりも後方位置で発生する共振現象であり、羽の故障には至らないと考えました。また、3次モードと4次モードは20%以上離れており、同時には起こらないことがわかりました。以上から、後方での共振現象は多少発生しますが、不安定な発散は生じないと考えられました。この解析を行うことで、重心よりも前縁の変形が発散しないように設計する方針を見つけることができました。実際に走行して、解析結果とほぼ同様な結果が得られました。

次回は、「安全性の証明」について解説します。

 

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アルテアエンジニアリングの学生向け活動支援について

アルテアは、学生フォーミュラ、ソーラーカーレース、シェルエコマラソンなどに出場するチームに対し、設計・CAE環境であるHyperWorks(ハイパーワークス)のライセンスおよび技術サポートを無償で提供しています。学生の皆様に設計段階でのシミュレーション活用の有効性を実感していただき、将来社会人になられてからもシミュレーション主導による製品開発プロセスを推進されることで、日本の製造業の力をより一層高めていく一助となることを目指しています。

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