2018 Ene-1 GP 鈴鹿 - ほぼKV-Bike観戦記

Posted 10/11/18

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先月、初スポンサーとなった鈴鹿ソーラーカーレースの様子をレポートしました。少し時間が経ってしまいましたが、その翌日に開催された 2018 Ene-1 GP SUZUKAがとても面白かったので、その様子についても少し書きたいと思います。

8月3・4日に開催された鈴鹿ソーラーカーレースの翌日の5日(日)に、2018 Ene-1 GP SUZUKAという充電式単三電池(eneloop)40本のみを電力源とする車両と自転車のレースが開催されました。車両を使う KV-40と自転車を使うKV-Bikeに分かれ、社会人から中学生までが鈴鹿のサーキット上を走る競技ですが、ソーラーカーに比べると開発・製造コストがかからないこともあり、参加チームが増加傾向にあるようです。ルールなどの詳細は公式ページをご覧いただくとして、こちらでは素人目線でレースの様子をお伝えしたいと思います。

Altairのアカデミックプログラムでは、これまでソーラーカーレース、全日本学生フォーミュラ大会、シェルエコマラソン等の参加チームを支援してきましたが、今回鈴鹿を訪れるまでEne-1という競技を知りませんでした。

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事前知識のほとんどない状態で当日を迎えましたが、プログラムを見ると、KV-Bikeの方はダンロップ坂を押して登ると書いているチームがあります。電池で走るのだと思っていたのに、押して上がる?漕ぐんじゃなくて?と少し混乱しました。お隣のスポンサーブースMITSUBAさんからも1台出場するということでいろいろ教えてもらいました。

自転車に載せたモーターをeneloopで動かして走る訳ですが、実は自転車にはペダルがありません。eneloopの電力を使い切ってしまった場合には、漕ぐことはできないけれど押して歩くことは認められているようなのです。KV-40の車両の多くはペンシル型の空力を考慮した形状をしていたり、軽量化されていたりするのですが、KV-Bikeの方は自転車ですからそういう訳にもいきません。もちろんレーシングタイプのロードバイクを使っているチームもありますが、ママチャリを使っているチームもあります。ママチャリで出場できる手軽さも、出場チームが増えている一因かもしれません。

KV-Bikeは 1LAPタイムアタックと1時間耐久の合計ポイントで争います。見る側として面白いのは、やはり1時間耐久。ソーラーカーの熱い戦いの翌日、本格的なコースを使って一体どんなレースが繰り広げられるのか、予想もつきません。

Ene-1 GP K

1時間耐久レースのスタートでは、タイムアタックのタイム順にグリッドに自転車が並んでいくのですが、いろいろ教えてくださったMITSUBAさんのチーム「ミツバイク」が、実はレース初回から連覇をしている強豪だということをそこで知ります。さすがモーターの会社です。勝手に親近感を感じていますから、ミツバイクに注目です。

スタートは、レースクイーンのカウントダウンで本格的に始まります。なんと、前日と同じ実況と解説もつきます。でも自転車ですし、漕ぐことはできませんから、なかなかのんびりしたスタートです。そのギャップについ頬が緩んでしまいます。強いチームだと1時間で9周ほどできるようなのですが、なんと1周目からダンロップ坂を押して上がるチームが続出です。普段ものすごく速いレーシングカーやバイクが走り抜ける坂を、自転車を押して歩く姿はかなりシュールです。

ソーラーカー同様、最低ピットイン回数も決められていて、ピットインすると最低5分停車しなくてはいけません。猛暑でしたから、各ドライバー、ここで必死に体を冷やします。ミツバイクはドライバーチェンジがないので、ピットインは貴重な休息で、実況によれば、常務がうちわでドライバーを扇いでいたようです。

坂の途中で止まってしまうチームが続出する中、さすがのミツバイク、順調にレースを進めます。エネルギーマネージメントの力と、自社モーターへの深い知見故の強さでしょう。レース中には、ピットインしそびれたのか、逆走をするチームもありました。普段、サーキットのコース内に足を踏み入れるチャンスはあまりないので、初参加だと色々と戸惑うことも多いかもしれません。

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Ene-1 GPでは、激感エリアというコースサイドで観戦できるエリアが、S字コーナーとダンロップコーナーに設置されているので、KV-40のレース中に訪れてみました。スピードを間近で感じることができるのですが、真夏の炎天下ですので長時間の観戦は危険です。レースの様子を直に確かめながらドライバーに指示を送るチームもありました。

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このまま優勝か?と思われたミツバイクでしたが、なんと最終周のダンロップ坂でとうとうバイクを降りて押し始めます。少し前まで差をつけていた二番手の長野県飯田OIDE長姫高校が徐々にその差を詰めてきます。バイクを押して坂を登るとなると、体力的には高校生が有利かもしれません。最初は急ぐ様子もなく歩いていたミツバイクのドライバーでしたが、いよいよ追いつかれるか!と、私たちたがドキドキし始めたころにようやく後ろを振り返ります。いいタイミングで坂をほぼ上り切り、再搭乗。逃げ切ってチェッカーフラッグを受けました。楽勝で終わらせるのではなく、最後に観客をドキドキハラハラさせるあたりまで、実は計算ずくだったのではないかと今では思っています。

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予想もしていなかった面白さに、KV-Bikeのことばかり書いてしまいましたが、KV-40も色々な車が出ていて盛り上がっていました。洗練されたペンシル型の車両や、ソーラーカー界のレジェンドが作成されたというキットをもとに作成した車両など、個性的な車両も多くみられました。中でも個人的に釘付けになったのが、富士山方面から参加の社会人チームの車両です。クラッシュテストに使われる車体を模した車に、ダミーのコスチュームを纏ったドライバーが乗っています。丁寧に、あの黄色と黒のマークまで入っています。来年はどんなテーマで楽しませてくれるのか、とても期待しています。


 Citroënの車両をAltair Radiossで衝突解析し、Evolveでレンダリングした例

Ene-1車両やその部品等でも、Altair製品を使って軽量化を行うことができます。下の動画は、CADモデルの読み込みや形状作成→荷重や拘束条件、材料や製造条件の設定→最適化の実行→結果の表示→Evolve(CAD)で最適化形状の反映、を簡単に順を追って解説したものです。

最適な材料の配置を求めることで、不要部位を特定し構造の無駄を省くことができます。最適化というと難しそうに聞こえますが、動画Altair Universityの掲示板などを参考にぜひチャレンジください。学生であればソフトウェアは無料でお使いいただけます。

学生・教員のためのアカデミックプログラム

 

 

Topics: 学生支援


Rika Matsuno

Written by Rika Matsuno

Marketing, Web Master